今回はちょっと趣向を変えて、「父に贈る腕時計を選ぶ」、という記事を書くことにしました。
というのも、父が生前愛用していた、この腕時計の存在を思い出したからです。
生前愛用…と記したとおり、父はすでに他界しています。
晩年は水頭症という病を患い、頭痛、吐き気、歩行困難など、さまざまな症状に苦しめられました。
手術も受けましたが、その甲斐もなく徐々に衰弱していき、術後半年もしないうちに亡くなってしまったのです。
父の退院後は、会社を休んで在宅介護していたのですが、「私を殺してくれ」と繰り返し訴えていたのを思い出します。
体力だけでなく、記憶力も衰えていき、このまま病が進行していくのがたまらなく怖かったでしょう。
そんな父を見ていると、もう十分頑張ったよね、という思いと、すぐ弱音を吐いて情けない!という思いが交差して、可哀想でもあり、情けなくもありました。
時折、介護疲れによる殺人、心中などのニュースが流れますが、そこまで追い詰められる人の気持ちは少しわかります。
私の場合は幸いにも「いっそ一思いに…」などと訴えられても深刻にうけとたりせず、やんわり受け流すことができましたが、それでもついカッとして腹が立ったことは何度かありましたから…
こう書くとずいぶん過酷な介護生活だったように聞こえるかもしれませんが、実際にはつらいと思ったことは一度もありませんでした。
それは周囲の人々の暖かいサポートがあったからです。
やはり家族だけで介護するとどうしても閉鎖的になって、思考が内向きになってしまうのです。
そこに第三者の目で援助してくれる人がいてくれるだけで、どれほど救われたか分かりません。
特に週4日訪問介護してくれたヘルパーさんには本当にお世話になりました。
そして、父が亡くなってもうすぐ15年になります。
その亡くなった父への贈り物というのも奇妙な感じですが、私の心の中にある、ちょっとした後悔の念に区切りをつけるという意味があるのです。
それは父が最後に使っていたこの腕時計を見るにつけ、腕時計のひとつでもプレゼントしておけば…との思いです。
こうして改めて見てみると、あちこちにぶつけた傷があり、メッキは剥がれボロボロです。
いつも肌身離さず着けていて、救急車で病院に搬送されるときもこの腕時計をつけていたんですよね。
この腕時計も実用的で十分いいものですが、もう少しいい腕時計をプレゼントしておけばよかったなと、少し後悔しています。
という事で、亡くなった父に思いをはせて、遅まきながら腕時計をプレゼントしたいと思います。
こう書くと、亡くなったことを受け入れられず、父への想いを引きずっているようにも聞こえてしまいますが、そこまで深刻な話ではないんですよ。
次々時計を買う事の口実にもなりますしね(笑)
父も「なんだかんだ言って結局は自分が欲しいんだろう?」と笑っていることでしょう。
さて、プレゼントの品を選ぶとなると、相手の好みや用途などを考慮しなければなりませんね。
好みに関しては、以前使っていた腕時計のタイプから、オーソドックスなアナログを好んで使っていたのは分かっていますが、金色が好きだったイメージはありません。
おそらくホームセンターの棚にぶら下がっていたものの中から、あまり深く考えずに選んだのでしょう。
このあたりは本人に確認できれば確実なんですけど当然それはかないませんし、そもそもプレゼントの品を選ぶのに本人にどんなのが欲しいか聞いたりしたら興ざめですから、たとえ健在だったとしても、好みを想像して選ぶことになるので条件は一緒ですね。
ということで、とりあえずこのゴールドの腕時計に似たようなのモノは無いか探してみることにしました。
すると、ほぼ同じもの(ベルトのデザイン違い)がまだ売られていました。
ただ、4,700円という妙な高額で販売されています。
きっと製造終了のため強気の価格設定なんでしょうが、当時の販売価格は2,000円ちょっとだったはずなので、さすがに高すぎです。
しかも仮にもプレゼントの品ですから、同じ時計というのは芸が無さすぎですね。
ということで、これはボツ。
ほかにも似たような腕時計はありましたが、いまひとつピンときません。
本来、プレゼントの価値は金額の大小には左右されないと思いますが、せっかくですから、もう少し奮発して質感にもこだわりたいところです。
という事で、ここで改めて条件を設定することにします。
- オーソドックスなアナログタイプ
- 季節を問わずに使える金属ベルトタイプ
- 日付表示あり(できれば曜日も)
- 文字盤は白またはシルバー
- 本体はゴールド
- 予算は30,000円以内
ウォッチ製品検索という便利なページがあるので、この条件で検索。
(価格は割引を想定して40,000円以下としました)
するとこの腕時計がヒットしました。
EFR-540RB-1AJRはさすがに父には似合いませんが、LIW-130TDJ-7A2JFはかなりいい雰囲気です。
電波ソーラーですから手間いらず。
おまけにチタン製で軽量なので、年中身に着けても負担がありません。
YouTube等で確認したところ、質感もよく高級感もありそうです。
この時点で、飽きのこないオーソドックスなデザインのLIW-130TDJ-7A2JFに決定!と思いましたが、本体がゴールドじゃないのが気になります。
前述したとおり、特別ゴールドにこだわりがあったとは思えませんが、念のため条件を緩めて再検索することにします。
すると、本体がゴールドの腕時計は、このモデルを含めてGショックしかありませんでした。
さすがにこれは父には合いませんので、本体がゴールドというのは条件から外すことにします。
それと、曜日表示できるモデルにアナデジのウェーブセプターがあるはずなので、「オーソドックスなアナログタイプ」という条件も緩和して、アナデジも可にしました。
その結果、以下のモデルが最終候補に。
残ったのはリニエージのアナデジとアナログモデルです。
アナデジモデルは曜日が漢字で表示されますし、老眼でも読みやすいのが良いですね。
一方のアナログモデルはシンプルでオーソドックスなデザインがいいです。
ちょっと迷いましたが…
- ストップウォッチなどの機能は必要ないこと
- 操作の必要が全くないこと(電波受信できる環境において)
- チタン製で軽いこと
- 針がゴールドで最後に使っていた腕時計の雰囲気が感じられること
が決め手となって、LIW-130TDJ-7A2JFに決定です!
これなら父もきっと喜んでくれるでしょう!