今回は、太陽とアナログ時計を使って方角を知る方法について書くことにしました。
とはいっても、この方法は割と有名な豆知識であり、ウェブ上には手順を書いたサイトがたくさん存在しますので、ここでは「なぜ太陽とアナログ時計を使って方角を知ることができるか?」について図を使って説明したいと思います。
最後に、より実践的な方法も掲載してますよ。
目次
この方法は、太陽が午後12時でちょうど南に昇ることを利用した豆知識です
太陽は日の入後、徐々に南に向かって昇り、午後12時でちょうど南の方角に位置しますので(これを南中といいます)、現在の太陽の位置をもとに南中時の方角を割り出すことで、南の方角が分かるのです。
例えば今、午前9時だとすると、太陽が南中するのは3時間後ですから、3時間後の太陽の方角が分かれば、その方角が南という事になります。
太陽は1時間に15度移動しますので、3時間後に太陽は45度離れた場所に移動しますから、現在の太陽の方角から45度移動した方角が南というわけです。
この角度を測るために腕時計を分度器として代用します。
時計の短針も太陽と同じように時間に応じて回転しますから、短針を太陽に照らし合わせることで、南中するまでの角度を測ることができるのです。
時計の短針は太陽の倍速で移動しますから、短針から文字盤の12時位置までの角度を1/2にした値が求める角度になるのです。
実際に計測するときは、腕時計の短針を太陽の方角に向けます。
このとき、短針から文字盤の12時位置までの角を1/2に分割する線の先が南の方角になります。
注)実際に計測するときは、時計は水平に保持してください。
解説図では、時計は掛け時計のように垂直に向いていますが、解説のための便宜上の表現ですから、実際に計測するときは、方位磁石のように時計を水平に保持する必要があります。
午前と午後で、南を指す方向が異なります
注意点として、午前と午後で南を指す方向が異なるという事に気を付けてください。
午前6時25分の場合は文字盤の左側が南を指しますが、午後6時25分の場合は文字盤の右側が南を指します。
場所や季節で誤差が出ます
この方法は、午後12時に太陽が真南に位置する(南中する)ことを前提としています。
ところが、実際には兵庫県明石市付近を除いて、午後12時に南中することはありません。
(その兵庫県明石市でも季節変動により10分前後の誤差があります)
北海道札幌市では、午前11時30分から午前11時40分ごろに南中しますし、沖縄県那覇市では、午後12時30分から12時40分ごろに南中するのです。
ですから、どんなに正確に測ったとしても、北海道札幌市では東に約7度、沖縄県那覇市では西に約7度ずれてしまいますから、おおよその南の方角を知るための方法であるという事をあらかじめ念頭に置いておく必要があります。
この方法を実践するのは難しい
ここまで説明しておきながら、こう言うと身もふたもありませんが、この方法を実践しようとしても、実際には難しくてうまくいかないはずです。
太陽は直視できませんから(※)太陽の方向に短針を向けるのは、実際には相当難しいのです。
仮に日食観察用グラスを使ったとしても、水平に保持した対象物(時計の短針)を、角度が付いた被対象物(太陽)に向けて直線状に並べるのは至難の業です。
(※)無理にみると目を痛めますから、絶対に太陽を直視してはいけません
ですから、太陽ではなく影を見ましょう。
自分自身の影の方向に時計の短針を向けるのです。
こうすれば、時計を水平に保ったまま直線状に並べるのはそれほど難しくはありません。
このとき、指し示す方角が南ではなく、北になるという事に注意すれば、その他の手順は同じです。
南半球では?
ここまでの説明は、北半球で計測するときの手順です。
南半球で行う場合は、以下のようにします。
太陽と時計で方角を確認する方法(南半球版)
- 時計の文字盤の12時を太陽の方角に向けます
- 短針と12時位置までの半分の位置が「北」の方角になります
影を使って確認する方法(南半球版)
- 時計の文字盤の12時を影の方角に向けます
- 短針と12時位置までの半分の位置が「南」の方角になります
注意)午前と午後では向きが異なる(南半球版)
こんな苦労をするのなら、方位計測機能付きの腕時計にすれば良いのでは?
と言ってしまうと身もふたもない感じもしますが、正確に方位を知りたいのであれば、専用機に勝るものはありません。
例えば、プロトレックならバッチリ方位を指示してくれます。
なにしろ、登山用の腕時計ですからね。
でも専用機を買うつもりなら、わざわざ太陽と時計で方角を知る方法を調べたりしないって?
では、方位磁石はどうでしょうか?
これなんかネックレスになってますから、お洒落に身に着けられると思います。
でも、せっかくなら腕時計で方位が知りたいですよね。
では、カシオ エディフィスはいかがでしょうか?
プロトレックのように、いかにも登山用という感じじゃなくて、普段使っても違和感のないデザインが魅力的です。
一見、方位が図れる時計に見えないのに、実は方位測定機能がついている、というのも気が利いてると思います。
いつも楽しい記事有難うございます。私は現在南半球に住んでいますが、その場合、この方法で太陽の位置と12時の間はどの方位になりますか?
ちょうどいい機会なので、南半球での確認手順を追記してみました。
北半球の手順とは、
太陽に向けるのが「短針」ではなく、「文字盤の12時位置」になる。
求める方角が「南」ではなく「北」になる。
という違いがあります。
私は南半球に行ったことがなく、実際には確認してませんが、理論上はこの方法であってると思います。
確かに午前と午後では向きが異なる(南、北半球とも)ですが、これは、時計の短針を太陽に向けた場合、12時との真ん中を探す場合に午前も午後も時計の上半分を使え、とうことですね?
ごめんなさい、南半球の場合には短針ではなくて12時でしたね。さっそく試してみたいと思います。こちらの疑問にさっそくご回答いただき有難うございました。今まで北半球と同じやり方をしていて、なんか違うなと思っていたので助かりました。
少しわかりづらい説明で済みませんでした。
おっしゃるとおり、12時の位置を太陽に向け、短針と12時の真ん中の方向が「北」になります。
試した結果を教えていただければ助かります。