腕時計のパーツ入替カスタムに挑戦してみた!Pt.2

腕時計のパーツを入替えてカスタムしてみた(Pt.2)
腕時計のパーツを入替えてカスタムしてみた(Pt.2)

 
さて、前回の記事でお約束したとおり、今度こそ中身を入替えました!

前回は思わぬトラブル(※)で中身入れ替えの余力がなかったので、今回こそ正真正銘、中身入れ替えカスタムの巻なのです!

(※)中身入れ替えの前に、ベルト入替えを試したところ、ひとつはベルトの付け根が「ゆるゆる」、もうひとつは「きつきつ」になってしまい、うまく入れ替えることができませんでした。

前回の記事はこちら

目次

中身入れ替えカスタムとは?

最初に「中身入れ替えカスタム」とは何か、簡単に振り返っておきましょう。

前回やりたかった「中身入れ替えカスタム」というのは…

腕時計のパーツを入替えてカスタムしてみた(Pt.2)
腕時計のパーツを入替えてカスタムしてみた(Pt.2)

この二つの腕時計の中身を入れ替えて…

腕時計のパーツを入替えてカスタムしてみた(Pt.2)
腕時計のパーツを入替えてカスタムしてみた(Pt.2)

こんな感じに、「ノーマル液晶と反転液晶の組み合わせを変えてしまおう!」(※)

というものです。

で、前回記事では横道にそれてしまって、今回に延期したのでした。

(※)カスタム後の写真は合成です。
本当の写真は記事の終盤に載せてます。

プチトラブルが発生するも、入れ替え作業は無事終了!

中身入れ替えカスタムの概要を確認したところで、いよいよ、実践結果の確認に進みましょう。

作業の流れは、概ねこんな感じ。

作業の流れ

  1. ベルトを外す
  2. 裏蓋を外す
  3. 中身(モジュール)を取り出す
  4. 中身(モジュール)を入れ替える
  5. 裏蓋を取り付ける
  6. ベルトを取り付ける

中身の出し入れが一番難しいところですが、落ち着いて作業すれば大丈夫。

途中で「プチトラブル」が2つありましたが、入れ替え作業は無事終了しました。

プチトラブル

  1. 反転液晶のモード変更ができない
    リセットすることで、モード変更できるようになりました。
  2.  

  3. ノーマル液晶の音が出ない
    裏蓋の共鳴板と通電用のバネが接触不良をおこしたようですが、何度か取り付けなおしていたら、音が出るようになりました。

後は写真を撮って、もろもろ編集したら記事公開!

と思っていたのですが…

(一部動画でネタバレしてますので、興味のある方は先に進む前に上の動画でネタ探ししてみてください)

そんなに甘くはありませんでした。

反転液晶を移植したカシオ腕時計W-S220-1A
反転液晶を移植したカシオ腕時計W-S220-1A

反転液晶がやけに見づらい…

反転液晶を移植した、黒ボディー(W-S220-1A)の文字がやけに見づらいのです。

反転液晶は視認性が低めとはいえ、こんなに見づらくなかったはず…

ミスした覚えはありませんが、どこかで何かをやらかしてるのでしょう。

しかし、特に思い当たる「ふし」はありません。

反転液晶モデルには、特殊な風防がセットしてある?

そこで疑ったのが、液晶と風防の組み合わせです。

反転液晶モデルには専用風防がセットしてあるので、中身を入れ替えてしまうと、反転液晶は極端に見づらくなってしまう。

 
そんな気がしたので、元の組み合わせに戻してみました。

しかし、反転液晶は見づらいままです。

冷静に考えれば、そんな手間(コスト)のかかることが、数千円の腕時計に施してあるわけがありませんね。

あらためて取り出した中身(モジュール)を見てみると、液晶そのものが薄暗くて、ぼんやりしていました。

これは、接触不良を起こしているに違いありません!

いじっているうちに、反転液晶の視認性がゼロに…

そこで、液晶周辺を押さえてみると、一瞬ですがクッキリ見えるポイントがありました。

これはシメタ!と思って、あちこち押さえてみると少し復活!

 
ところが「もう少しで完全復活!」と思ったところで、逆に全く見えなくなってしまいました…

かえって接触不良を増幅させてしまったようです。

ダメになった、黒ボディー&反転液晶のほうは、安易に分解した事への教訓として、このまま保管するしかないな…

と、思いましたが、どうせ使い物にならないのなら、中身(モジュール)を分解しちゃいましょう!

カシオ腕時計W-S220-1Aの中身を分解
カシオ腕時計W-S220-1Aの中身を分解

ダメもとでモジュールを分解!

「中身の中身はこうなってます」的な内容にすれば、違った意味で面白い記事になりそうです。

組み立てなおしたら、見えるようになるもしれませんしね(笑)

とはいえ「ダメもとでやってみよう」という、今回のようなケースで事態が好転することは少ないので、過度な期待は慎みましょう。

液晶表示が見事に復活!

ですが、今回は見事に復活!

ゴムに紙を貼ったような、この部品がトラブルの原因でした。

カシオ腕時計W-S220-1Aの中身を分解
カシオ腕時計W-S220-1Aの中身を分解

 
たぶん白い紙のような素材が伝導体で、これ経由で液晶に電気を流しているようですが、モジュールを触っているうちに、接触不良を起こしたようです。

バラバラに分解したモジュールを組み立てなおすと、きれいな液晶表示を見せてくれるようになりました。

あとは時計に取り付ければ、めでたしめでたし。

液晶は復活するが、こんどは音が出ない!

となるはずでしたが、まだまだトラブルは続きます。

「ダメもと」で作業したので、どこか慎重さを欠いていたのかもしれません。

時計に取り付けてみると、音が出ないのです。

この現象は最初の方に書いた、プチトラブルと同じ現象。

「大したことない」と、高をくくってみたものの、何度やっても音が出ません!

「ここは冷静にならねば」と一息入れて席に戻ると、極小サイズのバネがテーブルに転がってました。

カシオ腕時計W-S220-1Aの中身を分解
カシオ腕時計W-S220-1Aの中身を分解

 
このバネは、音を鳴らすのに欠かせない、重要な部品です。

(裏蓋の「共鳴板」に接触・通電して音を鳴らします)

これが外れていたのなら、音が出なくて当然のこと。

もう一度組み立てなおすと、音が鳴って<液晶表示もばっちりです。

今度こそ、めでたしめでたし!

復活したモジュールをしばし眺めて、しばしの感慨にふけること数分…

「モジュールの分解作業はカメラを回す余裕がなかったので、記事公開用に再現映像を撮影しなきゃいけないな」

などと考えながら後片付けをしていると…

さっき回収したバネとは違う「金色のバネ」が足元に転がっているではありませんか!

この部品は何?

でも、このバネ、つけなくても普通に動いてるんですけど…

 
さあ困った。どこに付いてた部品か分かりません。

移植がうまくいったノーマル液晶を取り出して、比較すれば判明しそうですが、さらなるトラブルは避けたいところ。

そこで、最初に撮影した「入替え作業の動画」で確認することにしました。

動画を食い入るように見つめていたら、分かりましたよ、どこに付いてた部品かが。

カシオ腕時計W-S220-1Aの中身を分解
カシオ腕時計W-S220-1Aの中身を分解

 
この「金色のバネ」は、ソーラーセルで発電した電気を充電池に送電するための、銅線だったのです!
(言い忘れていましたが、W-S220シリーズはタフソーラーモデルでした)

バネが足りない!

しかし、動画にはバネが2つ写ってるのに、手元にあるのは1つだけ。

このバネがないと、充電できなくなるのです!

 
部屋のどこかにあるに違いありませんが、一息入れるために席を外したりしたので、果たして見つかるかどうか。

取付場所がわかったら、部品を紛失していることが判明するという、皮肉な結果になりました…

同じサイズのコイン電池に置き換えれば、バッテリー式として使えるだろうか?

もともとのバネじゃなくても通電しさえすれば良いだから、予備のばね棒からバネを拝借すれば、代用できるかも?

でも、ばね棒のバネではサイズが合わないだろうな…

それ以前に銅より伝導率が劣るので、上手く充電できない恐れもあるし…

ラッキーが重なり、辛くも復活!

とか考えながら探していると、畳の上に「金色(正確には銅色)のバネ」がありました!

 
畳が保護色となり、その存在に気づかなかったのです。

部品がそろえば、もう一度組み立てなおすだけ(といっても、結構難しい作業なんですけどね)。

せっかくの新品腕時計がダメにならずに済みました!

職人さんの技術に感服!

それにしても時計の組み立てというのは、気を遣う作業ですね!

組み立て工場で働く職人さんの技術には、本当に感服いたしました。

 
こんな細かい作業を、一日何十個とこなしているんですから。
(1個5分で作れば一日100個も可能?)

専用の工具を使えば、もう少し楽に作業できるのかもしれませんが、モジュール1個組み立てただけで、ヘトヘトになりました(笑)

時計職人の道は険しそうです(目指してないけど)。

ということで、ほんの軽い気持ちで始めた中身入れ替えカスタムでしたが、結構大変なことになってしまいました(笑)

しかし、その思い入れもあってか、カスタム結果は納得の仕上がりです。

大満足のカスタム結果!

ビフォアー
カシオ腕時計W-S220-1AとW-S220C-7B
ビフォアー
カシオ腕時計W-S220-1AとW-S220C-7B

アフター
相互に中身を入れ替えたカシオ腕時計W-S220-1AとW-S220C-7B
アフター
相互に中身を入れ替えたカシオ腕時計W-S220-1AとW-S220C-7B

 
反転液晶からノーマル液晶に変更した「W-S220C-7B」は、視認性が向上して常用できる腕時計にグレードアップ。

W-S220-1Aと中身を入れ替えたカシオ腕時計W-S220C-7B
W-S220-1Aと中身を入れ替えたカシオ腕時計W-S220C-7B

 
まさに「これが欲しかった」のです!

一方の「W-S220-1A」のほうは、中身を反転液晶に入れ替えたとたん、イメージが一新。

オールブラックの精悍な腕時計に生まれ変わりました。

W-S220C-7Bと中身を入れ替えたカシオ腕時計W-S220-1A
W-S220C-7Bと中身を入れ替えたカシオ腕時計W-S220-1A

 
実は「W-S220-1A」に関しては、「W-S220C-7B」と比べて少し野暮ったく感じたので「反転液晶にして視認性が低下したら出番がなくなるかも?」と思っていたのです。

ですが、そんな心配は全く無用。

視認性こそ低下しましたが、逆に「こっちの方が出番が多くなるかも?」というぐらい、大満足の出来栄えになりました!

さて、最後に「私も中身入れ替えカスタムしたい!」という方のために、今回使用した道具を紹介しますので、参考にしてください。

※ご覧のように、いろいろトラブルに見舞われましたたので、正直お勧めできません。
チャレンジされる方は、十分注意して作業してください。

中身入れ替えカスタムするには?

できるだけ精度の高い道具を使用するに越したことはありませんが、特別高級な道具じゃなくても何とかなります(なりました)。


バネ棒外し
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精密ドライバー
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ピンセット
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ブロワー(チリ吹き)
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使い捨て天然ゴム極薄手袋
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ほとんどは、ホームセンターや100円ショップなどで簡単に購入できますし、専門店じゃなければ売ってなさそうな「ばね棒外し」も、大きめの100円ショップなら置いてあるかもしれません。

(最近のダイソーは、時計工具コーナーが妙に充実しています)

注意事項

最後に中身を入れ替えるときに、注意することを確認しておきましょう。

ゴム手袋を着用して作業する(時計内部の部品は素手で触らない)
汗や油などが付着すると不具合の原因になるので、ゴム手袋を着用して作業しましょう。

あと、ゴム手袋をつけていても液晶表面に触ると跡がつくので、液晶表面には触れないようにします。

防水機能は維持できないものと覚悟する
一度裏蓋を開けてしまったら、防水機能は維持できないものと覚悟しましょう。

新品なのでパッキンは傷んでませんから、少々のことでは浸水しないと思いますが、10気圧防水とかの防水機能は維持できません。

メーカー保証がなくなる
中身入れ替えるとメーカー保証は無効になります。
(裏蓋を開けた時点で無効かも)

仮に保証期間中であっても、不具合対応は有償修理になってしまいます。

だから公式販売してほしい!

なので、カシオさんが公式に販売してくれたら、こんな苦労をしなくてすむのですが、やっぱり難しいんでしょうね(笑)


W-S220-1A
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W-S220C-7B
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W-S220-1B
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オールブラックは公式モデルがあるだけに、白ボディーのノーマル液晶モデルもぜひ欲しいところです!

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2件のコメント

  • GEN

    こんばんは
    中身の入れ替え成功お疲れ様です
    タフソーラーの裏蓋を開けた事がなかったので、ソーラーパネルとモジュールが小さいスプリングで繋がっているのを初めて知りました

    聞いた話ではタフソーラーの二次電池は電圧が2.4VでCR1616が3.0Vらしいです
    ソーラーパネルとモジュールを繋ぐスプリングを外して通常の電池を入れてもとりあえず動くのでしょうが、お奨めできないそうです

    今回のカスタムを見て私も似たような事をやってみたくなりました

    • Show

      なるほど!
      二次電池と普通のコイン電池では電圧が違うんですね。
      それだと、それこそ壊れてしまいそうです。
      (スプリングが見つかってよかった)

      動画を見返してみると、モジュールを取り出したときに、接触不良が起きたようなので、取り出すときはそーっとはずしてくださいね。

      そうすればたぶん問題なくカスタムできると思います。

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