やっぱり、反転液晶は見づらいのでしょうか?
ヤフー知恵袋を眺めていると、そんな質問をよく見かけますね。
その回答は、「ノーマル液晶より見にくい」とか「薄暗いところでは、ほとんど見えない」という内容がほとんどで、やはり反転液晶は見づらいというのが定説のようです。
私も反転液晶のG-SHOCKを2個持っていますが、実感としては「ノーマル液晶より視認性は劣る」と思います。
ただ、「ノーマルと比べてどのくらい違うのか?」と聞かれると、言葉で説明するのは難しいですね。
そこで「百聞は一見に如かず」ということで、ノーマル液晶と反転液晶の視認性を比較し、写真と動画で検証することにしました!
比較するのは、G-SHOCK風のルックスがカッコいい、スポーツギアのW-S220シリーズです。
正確性を期すため、同型モデルの液晶バリエーションで比較することにしました。
目次
ケース1 ガラス戸越しの日差し(玄関)で比較
まずは、ほどほどの明るさの室内で、どのくらい見えるのか確認してみました。
写真(動画)ではかなり暗く映っており、本を読むのもつらそうな感じですが、実際には新聞が読める程度の明るさがあります。
それでも、ガラス戸に向かって時計を見ると逆光になるため、ノーマル・反転ともに見づらく、とくに反転液晶のほうは全く見えませんね。
そこから180度反転して、背後から光が指すようにポジションを変えると、はっきり見えるようになりました。
常にこのレベルの視認性が確保されていれば、実用上、不都合を感じることは少ないはずです。
ケース2 白熱電球の下で比較
続いては、白熱電球の下で比較しました。
白熱電球ですから、そんなに明るくはありませんが、時刻を読み取るには十分です。
ただし、反転液晶のほうは手首の角度の微妙な違いで、見づらくなることもありました。
ケース3 暗い階段で比較
次は、階段での比較です。
我が家の階段は晴天の昼間でも薄暗いので、暗所での比較にはうってつけの場所でした(笑)
これだけ暗いと、ほとんど何も見えませんね。
ただし、ノーマル液晶の方はじっと見つめたら(暗所に目が慣れたら)何とか認識できるようになりました。
といっても、凝視しなければ読み取れないレベルなので、反転液晶が大きく劣っているとは言えないと思います。
(暗いところでは、ライトを点灯すればよいので)
ケース4 LED電球の下で比較
次は、LED電球の下で比較しました。
このLED電球も、あんまり明るくないのですが、光が当たれば写真(動画)のように、数字がくっきり浮かび上がります。
ただし、反転液晶は視野角が狭いので、瞬時に時刻を読み取るのは不得意なようです。
ケース1~4を動画で確認!
ケース5 晴天の屋外で比較
次は、晴天の屋外でどんな感じで見えるか、確認してみました。
9月下旬とはいえ、夏のような晴天でしたから、さぞかしハッキリ見えると思っていましたが、意外な結果になりました。
晴天の屋外でも反転液晶のほうは、角度によってはよく見えないことがあったのです。
さらに日陰に入ると、室内とそれほど違いがありませんでした。
しかし、さすがは太陽光!
光の当たる角度がちょうどよければ、室内とは比べ物にならないほど、クッキリとした画面表示を確認することができました。
ベストポジションにはまりさえすれば、とても美しい表情を見せてくれるのが、反転液晶の特徴でもあるのです。
ケース5を動画で確認!
ケース6~9 ベランダで定点観測 2016年9月24日 午前9:26
最後はベランダで定点観測です。
時間帯別の変化を確認するため、朝、昼、夕、晩に同じ場所で4回撮影しました。
2016年9月24日 午前9:26
まずは朝から。
この日、午前中は薄曇りでした。
やはり反転液晶は少し見づらいですが、見えなくて困るほどではありません。
2016年9月24日 午後1:37
午後から晴れてきました。
屋外撮影で確認できたように、太陽光が当たるとよく見えますね。
2016年9月24日 午後5:58
夕方になると、とたんに見づらくなりました。
やはり、夕暮れ時は苦手なようです。
2016年9月24日 午後8:01
夜ともなるとノーマル液晶は微かに見えますが、反転液晶はまったく見えませんね。
ここでライトの出番です。
LEDライトは左側面から照らすタイプなので、照度にムラがあり、ここでも反転液晶の方が少し見づらい結果になりました。
(G-SHOCKのように全面を照らす、ELバックライトなら、ライト点灯時の視認性は互角です)
街灯をイメージして、室内からもれる蛍光灯の光にかざしてみると、反転液晶もよく見えましたので、夜間の視認性は問題ないと言えそうです。
ケース6~9を動画で確認!
検証結果
ということで、いろいろな場所、時間帯で比較した結果、「反転液晶はノーマル液晶より視認性が劣る」ということが確認できました。
「反転液晶の視認性」検証結果
- 夕方の屋外、明りのない室内など、薄暗いところでは非常に見づらい。
- 晴天の屋外でも、見る角度によっては見づらいことがある。
- 視野角が狭いので、瞬時に時間を把握する用途には不向き。
実感として見づらいことは分かっていましたが、こうして比較してみることで、弱点が浮き彫りになりました。
反転液晶の魅力は、高いデザイン性
ただし、「ベストポジションにはまれば、とても美しく見える」という事を忘れてはなりません。
ピタッとはまったときの美しさは、ノーマル液晶では表現できない、反転液晶ならではのもの。
視認性を犠牲にしてまで追い求めた美しさ、それこそが、反転液晶の魅力ではないでしょうか?
反転液晶はデザイン性に優れたモデルが勢ぞろいしているので、(視認性は一旦忘れて)思いっきりカッコいい(かわいい)腕時計を選びましょう。
その他の反転液晶モデルは、こちらから
視認性を優先するならノーマル液晶を
もし、視認性を第一に考えるのならば、ノーマル液晶にすればよいわけです。
周囲の明るさや視野角に関係なく、時刻を確認する必要があるのなら、ノーマル液晶を選びましょう。
多少薄暗い所でも、時刻を読み取ることができますから、視認性でストレスを感じることはないはずです。
追記!
同じ反転液晶でも機種によってはノーマルとの差はほとんどないものもあります。
その中でも最も視認性が高い機種の一つがG-SHOCKの5600シリーズです。
レビュー記事がありますのでぜひ参考にしてください!
こんばんは
またまた興味深い内容で、とても楽しませてもらいました
私も反転液晶のモデルを3本持っていますが、ほとんど見えずにスマホを取り出した経験があります
カシオの腕時計にまつわる噂や謎・疑問がたくさんあるので、ぜひこれからも検証とかshowさんの見解をお願いします
GENさま
コメントありがとうございます。管理人のShowです。
反転液晶も、明るさと見る角度の条件がそろったときは、とっても美しいんですけどね。
ところで、GENさんが抱いている「カシオの腕時計にまつわる噂や謎・疑問」とは、どんな内容でしょうか?
記事の参考にしたいので、教えていただければ幸いです。
必ず記事にできるとは限りませんが、その「噂・謎・疑問」には興味があります。
返信をありがとうございます
もちろん私も反転液晶の魅力は強く感じています
カシオの腕時計に関する噂・謎・疑問は
・タフソーラーについて
通常の電池式とタフソーラーのメリットとデメリットを再確認したいです
タフソーラーの二次電池が5年~10年だとすると、普通に10年電池のモデルの方が良いようにも思うのです
それとタフソーラーの場合は使わないような日の保管はバッテリーレベルがHの時に限って暗い場所でこまめな充電をさせない方が長持ちするって本当ですか?
バッテリーレベルがMとかLなら迷わず窓際などでフル充電ですけど
・加水分解について
古いGショックのベゼルやベルトがもろくなってしまうと言いますが、塗装されているものとされてないものでは紫外線の影響が違うので、塗装されているタイプの方が長持ちするというのは本当でしょうか?
他にも本当にたくさんの疑問等がありますので、迷惑でないなら後のコメントで書かせていただきます
もちろん記事にしてもらえたら幸いですが、検証できないような事の方が多いかも知れません
ご返答ありがとうございます。
タフソーラーについては、賛否がありますね。
定期的な電池交換とともに防水検査したほうが、防水性能を維持できるので、電池式のほうがいい、という見方もあるようです。
二次電池(リチウムイオン電池)の寿命については、TDKのサイトに詳細な解説がありました。
http://www.tdk.co.jp/techmag/knowledge/200910u/index2.htm
これによると─
『リチウムイオンバッテリの劣化を防ぐためには、充電回数をできるだけ少なくするために、できるだけ使ってから一気に充電します。また、長期間使わない場合は「電池の充電量を50〜80%程度まで減らして」「高温にならないところ」で保管することが重要です。』
とのことでなので、「こまめな充電をさせない方が長持ちする」というのは本当かもしれませんね。
次に、加水分解ですが、紫外線より湿気の方が影響が大きいようですが、塗装によりウレタンベルトが直接水分に触れずに済みそうなので、塗装されている方が長持ちするというのも本当かもしれません。
なお、加水分解については、こちらのサイトに詳しく書いてありました。
http://riskhedgehog.com/hydrolysis
ここでは─
「できる限り乾燥した、高温ではない場所での保管がおすすめです。」
「定期的に使用して圧力を加えることも、加水分解を遅らせることが分かっています。皮肉なことに、大切にし過ぎればし過ぎるほどに寿命を短くしてしまいます。湿気に気を付けながら、適度に使用を続けるのが一番の延命策です。」
とありますので、二次電池劣化にしても、加水分解にしても、「適度に使って高温多湿を避ける」ことが、延命につながるようですね。
このようなことは、論より証拠で実験してみるのが一番だと思いますが、二次電池劣化問題も加水分解問題も、実験記事は難しそうです。
普通に実験すると結果確認まで、10年以上かかりそうですし…
でも、「このサイトで質問を募り、その質問をサポートに問い合わせて、結果を記事にする」という企画なら実現できるかもしれませんね。
疑問への回答をありがとうございます
貼っていただいたURLの解説も熟読しました
タフソーラーに関してですが、まだ5年程度のもので一日中窓際に置いていてもバッテリーレベルMまでしかいかなくなりました
これはきっと真夏の車内放置を何度となくやってしまったせいですね
二次電池は手に入りにくいので、カシオに電池交換で出そうと思います
加水分解については10年くらいハードに使ってきたGショックが未だに何ともないし、18年前のイル・クジもちょっと黄ばんだ程度ですので検証するのは無理ですよね
このサイトで質問を募ってもらえたら、いろいろと質問させていただきます
「18年前のイル・クジもちょっと黄ばんだ程度」ということは、きっと保管の仕方が上手なんでしょうね。
きちんと手入れすれば、18年たっても大丈夫ということで、こちらこそ参考になりました。ありがとうございます。
質問を募る件は(私から言い出しておいて何ですが)慎重に考えたいと思います。
というのも、カシオのサポート担当さんの立場に立って考えてみたのですが、真剣に回答した結果が、ブログの企画として扱われていると分かったら、たぶんいい気はしないと思いましたので。
企画にかかわる人すべてが楽しめる内容が思いついたら、実施したいと思います。
でも、GENさんのコメントは大歓迎ですので、残りの疑問もまた聞かせてくださいね!
今回も大力作、お疲れ様でした。オーナーならではのコメントと思います。やはり1本位は反転を試したくなりました。
私が使っている現役最古のソーラーは、エルジンのFK-940ーC、チタン、3針の他に日付、曜日、24時間表示のある多針アナログ、200メートル防水。もう20年弱ノーメンテ、1年程前に2秒運針になり、LEDの枕頭ライトに近づけて充電すると蘇生。その後は屋内の蛍光灯で充電するのみで快調。次に古いのがカシオオーバーランド 電波ソーラーのOVW-110 15年程前に購入。これも蛍光灯のみで快調。 カシオプロトレック PRW-1300J 8年前購入。これは気圧変化で天候を予測できるので、常時本棚に。たまに電池残量がMになるのでLED枕頭ライトで充電。いずれも充電池交換は未経験。
一方、今思えばカシオAL-190に似た、アルバのソーラーデジタル、車内に置いたら液晶が真っ黒になったまま回復せず。これは恐らく高温による液晶の破損。
エルジンに関しては2秒運針になってから充電、が該当してます。防水性が心配で昨今ではケースに入れて、たまに日付曜日を修正するのみ。
今回も深い内容をありがとうございました。
視認性に多少難はありますが、反転液晶ならではの楽しみ方もあるので、機会があれば試してみるのもいいかもしれませんね!
あと、メーカーこそ違えど、ソーラーモデルが20年弱ノーメンテで大丈夫とは、心強い情報をありがとうございます。
蛍光灯のみで十分というのも大変参考になりました。
横から失礼します。
最近の7年や10年バッテリーモデル、ライトやアラーム等の頻度によりますが実際には倍ほど持ちます。
先の方の疑問の通り、ソーラーの意味は? と考えてしまいますね。
しかし電波やGPSモデルは受信にそれなりの電力を消費しますし、センサー等が付いていれば更に消費します。
このままでは電池が減る一方なので、これらのタイプにはソーラーが適しています。
充電池の寿命に関して。
同じモデルでも2年程でダメになったり、10年以上持ったリと運や環境によって差が出ます。
2次電池本来の特性からすれば使い切ってから充電が望ましいのですが、腕時計では現実的には不可能です。
そして使われていない領域は徐々に死んで行ってしまいます。
腕時計の場合はこまめに充電し、満に近い状態をキープするほうが結果的に長持ちします。
但し、高温下での充電もバッテリーが痛むので、夏季や窓際、車内等は注意が必要です。
情報提供ありがとうございます。
なるほど、仮に電波(その他機能つき)モデルに10年バッテリーを搭載しても、10年持たずに電池切れになるので、ソーラーが適していると。
ちゃんと理由があってのことなのですね。
使い方によっても充電池の寿命に差が出るとのことで、とても参考になりました!
そうですね、CASIOの電波モデルは夜中の決まった時刻に受信トライし、失敗すると一晩で最大6回挑戦します。
つまり、電波環境の悪い場所だと毎日6回失敗し、無駄に電力消費する事になります。
従って、リチャージで回復出来るソーラーが向いています。
上記の理由で減り具合いも不安定なので、「電池寿命何年」とも唄い難い理由もあります。
2次電池は必ず劣化する運命なので、10年20年元気なソーラー時計も、実はMAX容量は減っています。
時計は短時間に多くの電力を消費する物ではありませんし、常に光でチャージされているので劣化具合いを確かめる事は難しいですね。
ジーマンさん はじめまして
上のコメントも含めましてとても納得のいく内容です
私は最近スピードモデルが欲しいと思ったので、このサイトの5600系(スピードモデル)各モデルの比較まとめ!を参考に どれにするか考えました
買ったのはタフソーラーのシンプルモデル(G-5600E)ですが、G-LIDEの7年電池とDW-D5600の10年電池は最後まで悩みました
タフソーラーならバックライトを思う存分使えるだろうという理由で決めました
今後は高温になる車内に放置しないように気をつけようと思います
こんばんは
あのですね、カシオ腕時計のバンドに関する事です
Gショックのモデルごとに様々なバンドがあるわけですが、意外と違うモデルのバンドも問題なく付いてしまいますよね?
別のサイトでWAVE CEPTER WV-M200にGショックのメタルコアバンドを付けている写真があったので、私のWV-M200にDW-6900のウレタンバンドを付けたら全く問題なく付いてしまったのです
8900系のバンドは幅広なのでベゼルとの繋がる部分が合いませんが、付くには付きました
チープカシオのカスタムとしてGショックのバンドを使用したり、カシオに在庫が無いと言われて諦めていたGショックが復活したりしそうです
確かWV-M200の海外モデルにはメタルバンドもあったように思うし、赤とかオレンジのバンドを5600系とか6900系に付けても面白そうです
もし機会がありましたら、こういう組み合わせが面白いというような記事をお願いします
なるほど!とても面白いアイデアですね。
偶然というか今、バンド交換記事を執筆中でして、近日中の公開を予定していたところでした。
でも、他モデルのバンドを使用するところまでは、思いつきませんでした(笑)
今後の記事のアイデアとして参考にさせていただきます!
バンドに関する記事はとても興味があるので、楽しみにしてますね
違うモデルのバンドに交換する内容は、機会があればお願いします
質問です。10年電池モデルで販売店によりますが、初期電池は容量が少なく変えたら10年持ちます。的な事を謳ってる店ありますが、
わざわざ出荷時に10年電池モデルに容量少ない電池を工場で組み込んでるのでしょうか?
天内様
ご質問ありがとうございます。サイト管理者のShowです。
それは、わざわざ容量の少ない電池を組み込んでいるからではなく、工場で組み込んだ時点で既に電池の消耗が始まっているからです。
極端な例え話ですが、仮に10年ピッタリで電池切れになる腕時計があったとして、その腕時計が9年11ヵ月間にわたって販売店に展示され続けていたとすれば、購入後1ヵ月で電池切れになりますよね?
実際にはもっと早い時期に売れるのでしょうが、それでも残り100%ではないので、クレームを避けるためにそういう説明をしているのだと思います。