ここ最近、アマゾンでやたらと目につく激安の中華製腕時計!
とっても気になるので、ひとつ試しに買ってみました。
こちらが、その腕時計…
「KUXIEN」クロノグラフです!
目次
デザインはIWCのパクリだが…
「IWC」のクロノグラフを参考にした(というよりパクった)デザインで、なかなか精悍な面構えです。
「IWC」は持ってないので比較できませんが、一瞬だけなら「それってIWC?」と思われるかもしれません。
ただし、センターの秒針が常に動いているとか、秒針がクオーツの動き方だとか、じっくり見られたらバレそうですけど。
(そもそも、ロゴが違いますから…)
そうはいっても、この雰囲気はなかなかのもの。
時計にあまり詳しくない人なら、高そうな腕時計に見えるかもしれません。
3,000円あまりで、このクオリティーは驚異的!
ただ、今回のテーマはそこじゃないんです。
3,000円あまりで、このクオリティーは驚異的!
ということなんです。
まず、ビックリなのが、クロノグラフ(ストップウォッチ)がちゃんと動くというところ。
「何、当たり前のことを言ってるの?」と思われるかもしれませんが、この価格でクロノグラフが動くのは驚異的です。
5,000円未満の腕時計でスモールダイアルがついてる場合は、良くてカレンダー表示、悪ければ飾り(フェイク)がほとんど。
なので、これもフェイクだろう…と思ってましたが、レビューによると、どうやらちゃんと動く模様。
で、実物を触ってみると、確かに動く!
10分の1秒計のクロノグラフ!
しかも計測単位は、10分の1秒。
(12時位置のダイアルが、10分の1秒計)
これは、カシオのエディフィス・スタンダードよりも精密です!
(エディフィス・スタンダードは5分の1秒)
中央の針がクロノ秒針じゃないのが残念といえば残念ですが、そこまで求めるのは酷というもの。
この価格(3,000円少々)でちゃんとクロノグラフが動くとは、正直いってビックリです。
ブラックIPの光沢仕上げ!
外装も高級感があり、ステンレスにブラックIP(メッキ)の光沢仕上げ。
バンドは無垢の3連仕様で、コマ中央部だけブラックチタン風の半光沢になっています。
観音開きタイプなので、バックル式より装着にひと手間かかるものの、バックルがないのでデザイン性が高いです。
プッシュ式なので、着脱に力をかける必要もありません。
借り物とはいえ、精悍なイメージ
腕時計の顔ともいえる文字盤はプリント。
そのため立体感には欠けますが、白と黒の対比が鮮明であり、極めて精悍なイメージです。
飛行機のプロペラをイメージした時分針は、存在感があり視認性も高く、デザイン性と実用性を兼ね備えています。
「IWC」のデザインをそのまま拝借しているので、良くて当たり前ともいえますが、全体の質感は3,000円+αの腕時計には見えません。
防水性能は物足りない
一方で物足りないのが防水性能。
3気圧の「日常生活防水」です。
「日常生活防水」というぐらいなので、普通に使う分には十分ですが、このデザインで3気圧は物足りません。
低コストのしわ寄せですね。
手間のかかる日付修正
更にダメなのが、日付の早送り機能が動かないこと。
一応、リュウズ1段引きには日付早送り機能が割り当てられているのですが、これがまともに動きません!
買ってから一度だけ動いたっきりで、その後は一切動かなくなりました。
針を回せば日付は変わるので、リュウズ1段引きのときに歯車がかみ合っていないようです。
アマゾンのレビューにも同様の書き込みがありましたので、故障というよりそういう仕様と思ったほうがよさそう。
なので、このまま使います…
いささか緻密さに欠けるが…
あと、秒針も目盛と一致してませんし、いささか緻密さに欠けています。
チープカシオも秒針は必ずしもピッタリとはいきませんが、「KUXIEN」ほどではありません。
個体差もあるでしょうが、この辺りはカシオが上です。
とはいえ、実用上は特に支障はありません。
日付に関しては、どっちみち月に1回は時刻合わせが必要なので、その時に日付も一緒に変更すればいいでしょう。
価格を考えれば、この程度の手間(精度)に文句は言えません。
心配していた時計の精度も、月差-20~-30秒で十分実用に堪えられます。
同価格帯のチープカシオより高機能!
むしろ「3,000円あまりで、このクオリティー」というインパクトの方が大きすぎます。
同価格帯のチープカシオと比べてみると、明らかに「KUXIEN」のほうが高機能です。
しかし、弱点は品質のばらつき。
アマゾンのレビューを見ると、「KUXIEN」を含む激安・中華腕時計の場合、ハズレをつかまされることも多いみたい。
ここが改善されて価格も維持できるとなれば、チープカシオの大きな脅威になりそうです。
チープカシオの脅威になるか?
価格競争になると分が悪いので、カシオも低価格帯の腕時計は規模を縮小して、徐々に高価格帯に移行するような気がします。
もともと日本国内では、チープカシオには力を入れてませんし…
写真左の腕時計は、カシオMDV-100D-1AJF
フルメタルG-SHOCKの投入も、その布石かもしれませんね。
ただし…
- 「カシオ」ブランドの安心感
(品質・アフター)
- 豊富で魅力的なラインナップ
(カシオ独特のデジタルからオーセンティックなアナログまで揃う)
- 多様な購入経路
(通販以外に、ホームセンターなどでも比較的容易に購入可能)
といった理由により、今すぐシェアが奪われることはないでしょう。
(ある程度、浸食されるとは思いますが)
テクノス、エルジンは苦しい立場に?
それより、テクノスとかエルジンとかの「デザイン拝借メーカー」の方がやばいかも。
テクノスの方がバンドなどの造りはしっかりしてるのですが、価格差(約3倍テクノスの方が高い)を考えると微妙です。
なので、テクノス、エルジン等がターゲットにしていた購入層が、激安・中華腕時計に移行する可能性はかなり高そう。
時代は変わった!
いずれにしても、この腕時計が3,000円そこそこで買えるのですから「時代は変わった!」と実感します。
しかし「KUXIEN」ってなんて読むのでしょうね?
PS:バンド調整を自分でするなら、工具も買ったほうがいいですよ。