高級時計のシースルーバックから見えるムーブメントの美しさといったら、ほんとに息を飲むレベルですよね。
まさに人の手で作られた宝石、美術工芸品です。
ただ、その繊細さ故、高価な上ハードな取扱には向かないのは致し方なしでしょう。
はるか昔、G-SHOCK登場以前は「精度ではクォーツに劣るが、頑丈さ、信頼性ではロレックスが勝る」と作家の大藪春彦氏も作品内に記していました。
私もオメガの信奉者でした。(今でも好きですが)
やはり、「月に行った唯一の時計」「NASAが認めた時計」「オリンピック公式時計として歴代最多採用」…という数々の栄光に彩られたロマン、頑丈さと高精度を併せ持つ究極の実用時計という点に惹かれて止まなかったのです。
しかし、長年使用してきたスピマスオートは、思ったよりもはるかにデリケートな取扱を求められました。
そして定期的なオーバーホール…当時10万円で購入したスピマスに5年ごとのOHのたびに3万円ほどかけるのも多少負担に感じてきました。
だからといって別に幻滅したわけじゃありません。現実を知って納得しただけです。
そんな頃に出会ったのがチープカシオF91。
ああ、なんだ、時計ってコレでいいんだ…いや、コレがいいんだ!
結局、私が求めていた信頼性、実用性の高い時計って、時計店ではなく近所のホームセンターにあったんですよね。
本当の幸せとは、遠くではなく、すぐ傍にあったのだ…という「幸せの青い鳥」的なお話でした(笑)